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巡礼 [日記]

聖地、霊場を参拝してまわる人々の行動は何から来ているのだろう?

勿論、それぞれの宗教の指導者がそのように教えているということもありますが、それ以前にそういうことをしたいという気持ちが人間にはあると思います。
歩くということはA地点からB地点に移動するという手段の一つだけではなく、歩く行為自体に意味を感じます。

参拝だけが目的ならば、便利な乗り物が色々在るし実際利用もされているが、身体、経済、時間などに支障がなければ歩くことの方が巡礼に合うような気がします。

ある生物は遠く離れた所から自分の生まれた場所へ戻るという帰巣本能が在るそうですが、これは人間の生まれ故郷を懐かしむ気持ちとは少し違うような気がします。
人間は本能の壊れた動物である(私の好きな岸田秀氏の言葉)が故に、いつも様々な幻想によって支えられています。
しかし理想、現実、そしてやっかいなエスの3層による精神構造は徐々に自己のバランスを崩していきます。

聖地は生まれ故郷ではないが、幻想によって精神の生まれ故郷と思わせます。
通常の生活をしていてはその幻想を維持することはかなり困難ですが、巡礼という非日常の環境に自分を置く事でその宗教的幻想に浸ることが出来ます。

人生、RPGならば簡単にリセット出来ますが現実の世界では自分の気持ちや環境をリセットすることは容易ではありません(中には都合の悪い処には近付かないとか、都合の悪い事は簡単に忘れることの得意な人もいますが)。
巡礼は神や仏にすがるとか祈ることとは別に、そういうしがらみから抜け出て自分の気持ちをリセットしたいという人への救いの面もあるのではないでしょうか?
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