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中国の人口問題と社会的現実 若林 敬子 ミネルヴァ書房

中国によく行く友人から人口移動、貧富、一人っ子政策などのことを聞いたがある。
「世界の工場」として躍進しているかのように見えますが、それに比例して内部での問題もかなり拡大しているようです。
文革、天安門、反日デモなど、ちょっとしたきっかけで暴動に変わる恐れがある中、もし食料、エネルギーで問題が表面化したらどうなるのか、13億の民を人道援助できる国なんて考えられるだろうか?
農業人口、農地がどんどん減っていることや、地域間の経済格差、民族、宗教問題などを考えると、表面の経済成長だけを見て楽観視出来ない気がしてなりません。

日中の外交とかビジネスの観点だけではなく、社会学として中国の国内事情をきちんと書いた本はないものかと思っていましたら、五月三十日のneto さんのblogでこの本が紹介されていまして(有り難うございます)早速手に入れました

著者は1970年厚生省人口問題研究所に入り、地域構造研究室長を経て現在は東京農工大大学院の教授。
1979年の訪中以来、中国の人口、社会変動の統計、分析をされてきた。
文章は分かり易く書かれていますが、内容は統計資料も多く、かなり読み応えがありますので時間をかけてしっかり勉強します(汗
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コメント 8

あゆり

中国は私の周りでも出張で行った人がいて、<BR>ちょうど反日運動の時だったので、飛行機が飛ばなくなるのではと心配しました(汗<BR>歴史などを見ると三国志やら兵馬俑やら、興味深い物が多いですよね。<BR>うぅ。私にはちょっと難しそうな本ですねっっ(汗<BR>読み終わりましたらざっくりと教えてください(人任せかっっ
by あゆり (2005-06-01 19:29) 

nmzk

&gt;あゆりさん<BR>まだ途中ですけれど、ざっくりの抜き書き。<BR>一人っ子政策に伴うマイナスの社会問題として男女の出生比率の不均衡が拡大しています(国家統計局試算によると2000年に出生した女児数は約90万人少ない)。<BR>伝統的に根強い男尊女卑、重男軽女の考え方は貧しい農村に依然として存在し、男児を生まない女性への叱責、嘲笑。<BR>女児を他人に手放す、病院や孤児院前に捨てる、人工流産、間引きなどさまざまな現象が生じている。<BR>その帰結としての男子人口の余剰構成は、20余年後の深刻な男子結婚難を発生させるそうです。<BR>友人は「一人っ子政策によって戸籍の無い子供が沢山いる」と言っておりました。<BR>深刻な話しでご免なさい。
by nmzk (2005-06-01 22:06) 

neto

この本では触れられていませんが、実は在日中国人不法滞在者(その数およそ20万とも言われる)が産んだ赤ちゃんは戸籍がありません。合法ビザを持つ中国人が自分の子として大陸に連れて帰る商売もあります。更に日本には中国人がやっている地下病院が何件もあり、違法な堕胎も行われています。違法堕胎薬は在日中国人女性の必需品ともなっています。この問題は既に日本に輸出されているんですね。
by neto (2005-06-02 02:09) 

nmzk

&gt;netoさん<BR>この度はどうも有り難うございます。<BR>お陰様でとても良い本にめぐり合えました。<BR><BR>中国の人口に関しての現実は、さまざまな問題点をこれからの世界に投げ掛けているようですね(まだ途中なので基本的なことが把握出来ていませんが・・・)。<BR>まずはじっくり勉強してみます。<BR>これからもよろしくお願いします。
by nmzk (2005-06-02 08:03) 

ひなたぼっこ

中国は難しくて良く分からない国ですね。昔の「纏足」に始まって、(女の人が逃げられない様に)歩くことが不自由にするためだったようですね。『大地の子』は読みましたが。<BR>大きな大地に沈む夕日が綺麗な日は遠そうですね。<BR><BR>今月も宜しくお願い致します。
by ひなたぼっこ (2005-06-02 09:01) 

nmzk

&gt;ひなたぼっこさん<BR>こちらこそ宜しくお願いします。<BR>中国の人口問題は、私の好きな社会学の一環としてとても関心が有ります。<BR>久しぶりに学生に戻ったような気分で勉強しております。
by nmzk (2005-06-02 20:27) 

あゆり

&gt; 深刻な話しでご免なさい。<BR>いえいえ、結構難しい問題に直面している国なのですね・・・。<BR>幸せの価値も、<BR>きっと私たち日本に比べたら非常に小さなものでも大きな幸せなのでしょうね。<BR>これから世界にどんどん出て行く国ですから、<BR>様々な問題が少しずつ解決されていくといいですよね。
by あゆり (2005-06-03 15:18) 

nmzk

&gt;あゆりさん<BR>一組の夫婦に子供一人を提唱した「一人っ子政策」を開始したのが1979年、人類史上壮大なる実験といわれて四半世紀を過ぎました。<BR>人道、宗教上など様々な抵抗が(当然)ある中で、敢えてやらざるをえなかった理由は相当深刻なものと考えられます。<BR>世界に目を向けると1950ー2000年にかけ世界人口は35億5千2百万人増加しましたが、その内89.3%は発展途上国です。<BR>紛争のきっかけは民族、宗教、領土かもしれませんが(マスコミ)、本当の原因は「戦わなければ自分たちが飢えてしまう」という危機感にあるのではないか・・・?<BR>まだ勉強の途中ですが、正直唖然としています。
by nmzk (2005-06-04 07:33) 

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